2016年に公開された映画「聲の形」。
主人公の石田将也と聴覚障害のある西宮硝子を中心に、不器用な10代の壊れやすい友情や恋愛を描いた物語です。
原作は大今良時による漫画「聲の形」です。
この物語の西宮硝子の妹、結弦(ゆずる)はある理由でいつもカメラを持ち歩いています。
そして、そのカメラで虫や動物の死骸を撮って家のあちこちに貼っています。
今回は、結弦がなぜ死骸の写真を撮り家に貼っているのか?
また、コンテストに出して入賞した写真について詳しく調べてみました。
聲の形 pic.twitter.com/5XpdUrGCtY
— えんぴつ✎* (@enpitsu____) July 22, 2020
結弦が撮っている写真は、虫・動物などの生き物の死骸です。
バッタが死んでアリに運ばれている写真。
ネズミ・カエル・トカゲ・ハチ・蝶・ミミズ・トンボ・カマキリなどなど…
その他にも、枯れた花なども見られました。
何かしら共通点があるのかと思い、色々見比べてみましたが、
どれも、グロテスクで見ていて気持ちの悪くなるものばかりでした。
それでは、なぜ結弦は生き物の死骸ばかりをカメラに収め、なおかつその写真を家の壁に沢山貼り付けているのでしょうか?
#お前らガチ泣きしたシーン晒せよ
やっぱり聲の形なんだよなぁ
このシーン主人公が自殺しようとしてる子を助けようとしてるところ!
こんなにも話がリアルで泣けるシーンは見たことないぐらいボロ泣きしましたね pic.twitter.com/D6xvtdCiL8— マグポメラニアン (@mayoelubotti) February 9, 2020
それは、硝子が自殺をしないようにわざと貼っていたのでした。
小学生の頃、硝子は手話で結弦に「死にたい」と伝えました。
その後、結弦はどうすれば姉が死にたいと思わなくなるのか考えました。
出た答えは、生き物の死骸を常に見せていることで
「死んだらこんな風になるからやめて」
と言う結弦なりのメッセージだったのです。
結弦が過去に撮った写真の中に鳩が血を流して死んでいる写真がありました。
それは、お婆ちゃんの隣で寝ていた時の夢の中に出てきます。
その夢の中には、小学生の頃の硝子が手話で「死にたい」と言っていた場面も同時に現れます。
その夢を見た途端、ハッとして結弦は目を覚ますのですが…
コンテストで入賞した写真は、この鳩の死骸ではありませんが、この写真に関連しています。
フォトコンテストで学生の部「優秀賞」を取った作品。
それは前に撮った鳩の死骸の周りからクローバーが咲き誇った写真でした。
今までの撮ってきた「死」をイメージさせる写真ではなく。
鳩の死骸が大地の養分となり新たな生命が生まれた、
全く対象的な「生」をイメージさせる一枚でした。
そういえばっあと3日で
聲の形だね(*´︶`*)❤︎ pic.twitter.com/qqKnQNGKAk— 🍋🥞\(´∀`) /📛💌~ムイムイ~ (@mt0704sh) July 28, 2020
結弦は硝子のいわば監視役でした。
硝子がまたイジメられないように嫌な思いをしないように
そして、変な気を起こして自分の命を絶たないように
その監視役は、結弦のカメラも同じでした。
序盤の硝子と将也が話している時は双眼鏡。
植野と観覧車に乗っていた時はビデオカメラ。
最後には、硝子の自殺未遂を回避するきっかけにもなりました。
それから、硝子が前向きに生きていく事を決心してからは、結弦も休んでいた中学校に再び通い始めました。
そして、将也に勉強を教わりに行くなど自分の人生を歩み始めました。
カメラも同様に、硝子を監視する役割を終えたかのように
今まで一度もしていなかったレンズカバーが、カメラの最後の登場シーンでは装着されています。
2016年に公開された映画「聲の形」。
今回は、結弦がなぜ死骸の写真を撮り家に貼っているのか?
また、硝子と母親がコンテストに出して入賞した写真について詳しく調べてみました。
グロテスクな写真ばかりを家に貼っている理由。
それは、硝子に生き物の死骸を常に見せていることで、
「死んだらこんな風にになるからやめて」
と言う結弦なりのメッセージでした。
またフォトコンテストで賞を取った作品は
以前、撮った鳩の死骸を形とったようにクローバーが咲き誇った写真でした。
「死」→「生」をイメージさせる作品で、結弦の心の変化にも似た作品だったのではないでしょか。
最後までご覧頂きありがとうございます。