「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」が似ているといった感想をよく耳にします。
時代背景や似ているシーンそしてキャラ達。
そう言われてみると、なんだか似ているところもあるような気がします。
ということで今回は、ナウシカともののけ姫を比較して似ていると言われる理由や共通点。
そして、つながりについても詳しく調べてみたいと思います。
それではナウシカともののけ姫を比較して、どのようなところが似ているのか検証してみましょう。
ナウシカともののけ姫が似ていると言われる原因の1つのシーンが
このオームの大群のシーン
久しぶりに『風と谷のナウシカ』みたら…
オームが みう推しでうれしかった(ฅ∀<`๑)❤️❤️❤️ pic.twitter.com/532UqrKJB0— 三浦みう (@DP_MIU) November 30, 2020
怒ったオームが我を忘れ、目が赤くなり大群で押し寄せる姿は子供の頃とても怖かったことを覚えています。
そしてイノシシの大群のシーン
もののけ姫のイノシシ軍団のウォーペイントって、よくよく考えると結構かわいいよね。 pic.twitter.com/8rktQpTzWA
— やぶうち (@ottsyideti) July 17, 2019
イノシシ達が体に泥を塗り戦闘態勢(迷彩柄)のようなペイントを施し大群でタタラ場を目指す。
2つのシーン共に強烈なインパクトを残しています。
このシーンはナウシカと、もののけ姫が似ていると言われる1つの要因だと思われます。
しかしながら他にも比較してみると、このシーンだけでは収まらずまだまだたくさんの共通点が見て取れます。
昨日、「もののけ姫」からの「ナウシカ」をきめてきたけど
もののけ姫の躍動感すごかった!森が綺麗でみんな人間味があって、アシタカかっこいいしサンとエボシ様には惚れるわぁ(//∇//)
あとエンドロール見ててトキさんとナウシカの声優さんが同じことに驚いた← pic.twitter.com/mWki4IR0dt— やすこ (@yacchan_zubeeen) July 12, 2020
似ているのはシーンだけでなくキャラクターの設定や時代背景などもあげられます。
例えば、自然を守ろう願うナウシカとサン。
人間を第一と考えるクシャナとエボシ。
自然界の象徴であるオームとおっとこ主。
また巨神兵とデイダラボッチ。
など、キャラクターの設定が似ています。
特にクシャナとエボシに関しては腕がない、ということも共通していますね。
また時代背景にしても、2つの種族「人間と蟲」「人間と神々」など2種族が共存している世界が舞台です。
しかも、その両種族には「善と悪」のような完全な悪役は存在しません。
ちなみにナウシカの声優、島本須美さんはトキ役で、アスベルの声優、松田洋治さんはアシタカ役でもののけ姫に出演しています。
両方の作品には共通点やつながりが多く見受けられます。
#もののけ姫 躍動感溢れるアクション作画、雄大な大自然を描いた背景美術、荘厳な久石譲の劇伴に陶酔。ディダラボッチ暴走からの一大パニックと森が再生するクライマックスは圧巻。呪いや病気を治してくれるシシ神さん優しい。タタラ場と地侍との戦いは自力救済が大原則な中世日本そのもの。 pic.twitter.com/KzcsYWnOPg
— Hal (@papillon782) June 28, 2020
宮崎駿監督の作品には、メッセージ性が多く含まれています。
「ナウシカ」と「もののけ姫」は環境汚染や自然破壊がメッセージの作品だと思われます。
また、人間と自然の共存も含まれるのではないでしょうか。
ナウシカの舞台は巨大産業文明が滅びてから1000年後の世界です。
一度、栄えた文明は環境破壊によりかなりの衰退を見せています。
そのナウシカの舞台は「腐海」と呼ばれる猛毒を放つ細菌の森に脅かされています。
主人公のナウシカは、腐海の謎などを独自に研究していて人間と腐海・蟲が共存出来ないかを模索しています。
また、もののけ姫に関しては室町時代の日本が舞台になっています。
狩猟や工芸・農業を本業とし末裔アシタカは、村を襲ってきたタタリ神を退治した時に右腕に呪いを受けてしまいます。
その呪いの根源と呪いを解くために旅を始め、鉄を作るタタラ場にたどり着きます。
そこでは、原料の砂鉄と木炭を確保するために山を切り崩して森を焼き払うなどの自然破壊が行われていました。
そこには、人間と森に住むもののけや神々との対立がありました。
共に「自然」と「人間」が共存出来ないかが最大の問題である事が共通点になります。
12月25日金曜ロードSHOW!「風の谷のナウシカ」よる9時放送!また地球は腐海に飲まれる、姫様マスクを~💧 pic.twitter.com/pxCzNaMJSP
— arin (@arin77777) December 18, 2020
宮崎駿監督は映画「風の谷のナウシカ」について自己採点で60点という辛口の評価を下しています。
その理由については、自分の真の思いを作品に表現出来なかったといいます。
エンターテイメント映画ということもあり、映画版の風の谷のナウシカのラストは自然と人とが共存する救世主として蘇ったナウシカの姿は感動的でした。
最後に芽が出た「チコの実」は再生の象徴です。
いわゆるハッピーエンドで終わっています。
しかしながら、宮崎駿監督の構想していた世界は違いました。
漫画版のラストでは、ナウシカ達は危機を回避するものの根本的な解決には至っていません。
最後まで荒れ果て汚染された大地で、減退した人類と共に生きていく道しか残されていませんでした。
当時の映画では、このようなバッドエンド的なラストは受け入れられなったはずです。
ところが「もののけ姫」の映画には宮崎駿監督のある決意があったそうです。
それが「風の谷のナウシカ」では一歩踏み出せなかった「自然と人間」というテーマを掘り下げて結論のない問題をそのまま作品にすることでした。
もののけ姫では宮崎駿監督いわく、エンターテイメント作品には不向きとされる現代の厳しい課題が詰め込まれているといいます。
1.子供たちの心の空洞
2.至る所に起こる差別
3.人間と自然との関わり
4.人間の憎悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能
5.神秘主義と合理主義の対立
この2つの作品にはナウシカでは表現出来なかった思いを、もののけ姫で吐き出したという知られざるつながりがありました。
今回は「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」を比較して、似ていると言われる理由や共通点そしてつながりについて調べてみました。
似ていたのは、シーンやキャラクターの設定や時代背景などもありましたが、「自然との共存」というテーマが一番の理由でしたね。
また宮崎駿監督はナウシカで描けなかった混沌を、もののけ姫の作中で吐き出しており両作品には知られざるつながりがありました。
個人的には、似ている似ていない関係なく楽しめる作品なのでこのような裏話もどこか念頭におきつつ視聴すると、なお一層面白く感じるかも知れませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました。